やわらかな余地

手紙であれ、web上の記事であれ、文章を書く時に大切にしていることは、「伝わることを、ちょっとだけ諦める」ことです。

独り言として書きつけるのではなく、きちんと相手がいることは想いますが、伝えようとして力が入ると、説き伏せるようになったり、完璧で窮屈な文章になったりします。わかりやすくても上手でも、そういう文章がどうも苦手なのです。

伝えたいことはたしかにあるけれど、押しつけるわけでもなく、やわらかな余地があり、心地良い流れのある文章。こういう文章を書く時に、理解されたいという気持ちや、ある種の誇りは、邪魔になってしまうことが多いです。

心地良い文章が書けている時は、心地良いコーヒーが焼けます。技術を磨くことも、こだわりを持つことも大切ですが、それを誇示したようなものは苦手で、誤解される覚悟を決めて、やわらかな余地を残す。

コーヒーなんて、それくらいの加減がちょうどいいのです。