ごまいわし

駅前の魚屋に売っている「ごまいわし」(田作りみたいなやつ)は、どうやら妻の大好物。いつの間にこんなに食べたの?と驚くほどに、台所でパクパクと。

妻は控えめな人です。
たとえば、ホームで前の方に並んでいても、電車に乗り込む頃には後ろの人に追い抜かれ、よっぽど席が空いている時以外は、「まあいいか」という顔をしながら立つはめになります。
たとえば、今日は好きなものを食べよう!なんて日にも、値段が下から2番目とか3番目くらいのお手頃なものを、満足そうに食べています。

そんな人ですから、好物の「ごまいわし」が入ったタッパーであっても、きれいに空にすることはなく、スナック菓子の袋の底にたまるような、最後のひと口は必ず残った状態にしてくれているのをよく見かけます。

僕は、それがなんだか可笑しくて、「これも愛情やな」などと、勝手なことを思います。

駅前を歩く時には、反射的に、「ごまいわし、残ってたっけ?」が口癖になりました。そんなセリフが愛情表現としてまかり通るのですから、愉快な日々です。

所ジョージの『スパゲティーを食べましょう』という曲の中に出てくる、「あなたの愛情はこちらから、これじゃないかなんて拾い集めていますヨ」という歌詞を思い出しました。結構お気に入りの曲です。