むだ

〆の無駄話 2話

イエロー・サブマリン

 ビートルズの曲をはじめて耳にしたのは、一体いつだったか。たぶん、CMかテレビ番組だろう。小学校の音楽の授業で、「イエスタディ」をリコーダーで吹いた記憶もある。課題曲だったか、自分で選んだものだったかは、定かではない。

 今、家にはビートルズのレコードが2枚ある。1枚は、レコードを買い始めた頃、とにかく何でもいいから知っている曲を聴きたくなって買ったもの。そして、もう1枚は、「イエロー・サブマリン」を聴くためだけに買ったもの。

潜水艦のロゴマーク

 「イエロー・サブマリン」を知ったのは、2012年くらいのこと。当時、僕は22歳。まだ在らぬ「余白」という店のロゴやメニューを考えていた。お店のことを本格的に考え始めたハタチの頃から、構想や雑文を書きつけたノートは、その時5冊目くらいだった。

 ロゴを潜水艦にしよう!と閃いた経緯は、全く覚えていない。でも、不思議なことに場所は覚えている。大阪にある、星霜珈琲店さん(当時は、喫茶星霜)だ。ノートには、「もぐる」「潜水艦」と書きつけた。

 さて、潜水艦の絵を描いてみよう、という時になって気づく。僕は潜水艦なんて見たことがない。困ったら、検索。なんとも現代風だ。

 「潜水艦」の検索結果には、凛々しい潜水艦と一緒に、ヘンテコなイラストがあった。ふーん、ビートルズの曲か。これが、「イエロー・サブマリン」との出逢い。本物の潜水艦の画像を求めていた僕は、素っ気ない態度で流した。

 数日後、同じノートを持って、神戸に出かけた。海の近くのまちで、どこか喫茶店に入って、頭の中に入った潜水艦を描こうと。そして、モトマチ喫茶さんで、コーヒーを飲みながら、今のロゴの元になった潜水艦の絵を描き上げた。

 それから数年後。元町を歩いている時、ふらっとレコード屋に入った。何か適当なレコードでも買って帰ろうかなと、レコードの波をめくっていると、あのヘンテコな潜水艦のイラストのことをふと思い出した。

 家に帰り、針を落とすと、素敵な曲が流れた。それからは、出張喫茶などでは、よくビートルズの服を着ることにしている。なんとなく、縁がありそうな気がして。